相談前

依頼者の方は、1年ほど前に妻から性格の不一致を理由に離婚を迫られ、離婚調停に臨みましたが、当時相手方には弁護士はついていたものの、こちらは本人のみで対応していたために、相手方の言うがままにオーバーローン状態にある持ち家(マイナスの財産)の処分や面会交流などの条件の詳細を決めないまま、離婚を成立させてしまいました。その後、元妻は子どもと一緒に実家に帰ってしまい、子ども会えない状態が長期間続いたため何とか子供に会いたい、とご相談にいらっしゃいました。

相談後

私の方で代理して、面会交流調停を申し立てました。相手方は、子どもの持病や自身の仕事の都合、また持ち家の売却などの手続きが進んでないことなどを理由に、なかなか子供との面会に応じようとはしませんでした。私の方では、素直に父と面会することが子供の福祉のためにも良いこと等を主張するとともにに、持ち家の売却とその後のローン返済の分担などを協議して解決した結果、面会交流については、調査官立ち合いの試行面会を経て、当面月に1回程度会うこととし、今後の子どもの成長とともに面会回数や時間等につき配慮するという内容で調停が成立しました。

 弁護士からのコメント

中山 和人弁護士

本来的には、離婚時にオーバーローン状態の持ち家(マイナスの財産の取り扱い)や面会交流等についても条件を定めてから離婚する方が好ましかったのですが、この事案では依頼者が当時、弁護士に相談していなかったこともあり、その部分が未解決のまま離婚に応じたものです。離婚後にこのような、マイナスの財産の取り扱いや面会交流の条件について、当事者間での合意を整えることは、なかなか難しいものです。この事案もそのようなケースでしたが、当方の主張の合理性を、調停委員や裁判官に説得的かつ粘り強く主張した結果、最終的には調停が成立し解決が図れました。

弁護士 中山和人